PALETTE2025年4月号(NO.89)

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- 全くの未経験から始まった 年
秩父で生まれ育った、生粋の秩
父人である美由喜さん。地元の駅
そば店を切り盛りしているその姿
御 花 畑 駅を降りてすぐの場 所にある﹁ちちてつ御 花 畑 駅そば 店 ﹂。
地 域の住 民や観 光 客で賑わう人 気の立ち食いそば 店の裏 側と
光のお 客 さ ま と 自 然に 話せるよ
ぷらはただの料 理ではなく 、家 族
うに笑う。美由喜さんにとって、
天
美 味しさのヒミツを橋 本 美 由 喜さんに伺いました!
うになったことなんです﹂と 笑 顔
要 望 で﹁ ち ち てつ 御 花 畑 駅 そ ば
喜さんは、
ある日突然母親からの
ルスタッフとして働いていた美 由
めにカットした玉ねぎと人参の甘
菜の切り方や生地の作り方。大き
だわっているのは、
天ぷらに使う野
天ぷらそば。美 由 喜さんが特にこ
板メニューといえば、何と言っても
由喜さんの姿勢には、何かを成し
さまに、丁 寧かつ迅 速に届ける美
を提供する。絶えず来店するお客
時に訪れるお客さまに温かい一杯
を 調え 、材 料を 刻んで、開 店と 同
仕込みを始める美由喜さん。出汁
毎朝、8時の営業開始に向けて
支える一杯
毎日の丁寧な仕事が
もしれない。
の愛が詰まった大切な
﹁絆﹂
なのか
今もなお挑戦するのは
母親の味
店﹂
の厨房に立つことに。当初は調
さに、桜エビの香ばしさが絶 妙に
年 前 、地 元レストランでホー
理 の 経 験 も な く 、戸 惑いの 連 続
遂 げようというより 、ただ﹁ 美 味
絡み合い、
サクサクの衣はつゆとの
強い想いが感じられる。
しいものを 作 り 続けること ﹂
への
相性も抜群。﹁母親が作っていた天
味を 継いでいきたいと 思っていま
ぷらがとにかく 人 気で、私もその
母 親からバトンを 渡されて、気が
年 。あっという 間で
だった。﹁右も左もわからないまま
美味しさを届ける力強さがある。 ﹁ちちてつ御 花 畑 駅 そば 店 ﹂
の看
には 、素 朴でありながら 、黙 々と
橋本 美由喜さん
(ちちてつ御花畑駅そば店)
を見せる。
きつ
がや
か
で
!
沿 線 ビ ュー
タ
イン
20
なったという 美 由 喜さんだが、慌
引 継 ぎでお 店を 任 されるよ うに
底かなわないと言う。﹁それでも常
経った今もなお、母 親の味には到
す﹂と 、美 由 喜さん。しかし 、 年
なつながりが広がる。美 由 喜さん
かな味と 、そこから生まれる 温か
口下手なんです。
でも、
立ち食いス
おいしい﹄と 言ってくれるのが、
一
孫が
﹃おばあちゃんの天ぷらが一番
れることもあるんです。何よりも
喜さんの真摯な思いが染み込んで
クサクの天ぷら。
その味には、美由
ば、そして母 親から 受け継いだサ
タイルってお客さまとの距離が近
の 手 から 作 り 出 さ れ る一杯のそ
いでしょう?だからこの店で働い
番うれしいですね ﹂と 照れくさそ
いる。
て良かったことは 、常 連さんや観
ば店の魅 力に気がついたと 言う 。 連さんからは﹃お母さんの天ぷら
20
﹁ 私はもともと 話すのが 苦 手で、 に近づいてきたね ﹄と 声をかけら
駅前にある素朴な店の中に、確
ただしい日々の中で、次 第に駅そ
した﹂
と振り返る。
わずか一週間の
つけばも う
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「ちちてつ
御花畑駅そば店」
については
P4で紹介しています
り
ら
き
リー
ー
ス ト づ ける 方 に
第89 回
20
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